グラスワインの選び方(後編)

飲食店として

Hi Guys!
みなさんこんにちはー

だんだんと暖かくなるにつれてワインを飲む機会も増えてくる!そんな陽気ですね。

そんな時みなさんはどんなワインを選んでいますか?

・暖かな陽気に誘われてキリッと酸味のある白ワインですか?
・桜の頃を思い出して、ロゼ色のジューシーなワインですか?
・もしくはボディのある赤ワインというより、少し冷やして飲みたい薄旨系の赤ワインでしょうか?

料理と同じく、体感する気温や湿度、シチュエーションにより飲みたくなるワインも変わってくると思います。

それに合わせてレストランやビストロなどはグラスワインを選定しています。

品種やアイテム数、季節を踏まえバランスを考慮する

冒頭で簡単にお話ししましたが、少ならからずお客様のニーズに合わせて私はグラスワインを選んでおります。
ニーズとは勿論その時の気分(気温やシチュエーションに左右されるもの)を踏まえ、お客様が頭の中で考えるワインの味わいと品種があります。

そうここがポイントです!

お客様の頭の中で考えている品種はなんだと思いますか?

ワイン名から味を想像できる方はごく一部であり、品種の味わいだったりで知名度の高い品種を選ばれる傾向にあるのが現状です。

前回もお話しした通り、
「オーストラリアワインならシラーズ!」「樽の効いたシャルドネ頂戴」や
「ペン○ォールズないの?」なども何度も聞きましたw

名前を知っている有名ワイナリーや自分の記憶にあるものをお客様は求めます。
と私は考えます。

そうなんです、人の記憶とは実に曖昧で、いくら興味があるものでも記憶に留めないことの方が多いです。
さらに酔いが回ると写真を撮っていてもついつい忘れてしまうのが現実です。

最近は世界的にワイン文化は広く認知されてきております。
日本でも知名度のあるワイナリーも増えてきましたし、日本のワイナリーも有名な方がどんどんと増えてきております。

勿論オーストラリアのワインメーカさんでも、世界的に有名な生産者もたくさんいらっしゃいます。

そういった有名なワインも売っていきつつ、次世代の生産者さんの手掛けるワインをご紹介したり、 奇を衒うワインや品種も勿論用意しますが、やはりそれだけを求めるお客様はまだまだ少ないです。
それに伴い、品種が重複しないように選んだり、味わいのキャラクターを考慮してのバランスも大切です。

お店の立地から客層を考える

現在春という事もあり、レストラン業界では柑橘類やりんごなどのフルーツ、苦味を堪能する野菜や山菜、爽やかなソースなど多く取り入れております。

ここで簡単に銀座にレストランがあった場合の選び方をお伝えします。
銀座?となるかもしれませんがそれはご了承ください。

さてまずお店が銀座にあり、客層が30代後半から50代くらいの方でしっかりとしたビジネス利用、少し大人のデート利用 、海外のツーリストの利用、ビルの中の店舗でしたらお買い物の合間に利用されるケースなど、いろいろと考えられ ると思います。

そちらの客層が求めるもの、また店舗からご提案したいものと思考が巡ります。

そこに合わせた販売価格だったり、求められる味わいなども考えていきます。

マネジメントの信念においてもそうですが、まずお客様のことを考えてのアイテム選びが大切になってきます。

ペアリングとは違うという認識

前提としてペアリングの為のグラスワインではなく、お店のカラーや料理にあったものを提案することが大切です。
ペアリングとは簡単に言えば料理とのマリアージュの提案だと思いますので、お店の全てのお料理に合わせた万能な白ワイ ンや赤ワインなど存在しないと思っております。

またそれをグラスワインから提案するとなると、何本開けておけば良いのか、ロスなども考慮して考えていかなければなりま せん。

もっと言えばコースだけでなく、アラカルトで提供している業態には非常に困難です。

個人的にはペアリングとはもっと奥が深いものと考えており、例えばワインの提供の温度だったり、ソースと食材とを全体的に食べた味わいだったり、食材の咀嚼の回数だったりいろいろと考えることも多いはずです。

カルパッチョ一つとっても、クリエイティブな料理が流行っている時代に王道な白ワインでは合わない場合もあるのでオレンジワインや軽い赤ワインを提案する場合もあることでしょう。
と考え出したらキリがございませんので、オーストラリアワインとペアリングについてはまた次回にしましょう。

余談ですが以前のシェフとオーストラリアの旅の気分を味わっていただくコースを作った事があります。 食材も各州の名産でしたり旬のもの、魚や肉など取り入れました。
其の地域に合わせたワインと一緒に楽しんでいただくペアリングなどもご提案し当時の看板コースとなりました。
それも一つのオーストラリアの楽しみ方なのかもしれません。

お店のスタッフが楽しめるワイン選び

最後にお伝えしたいことはワインを楽しむということです。

我々飲食店は少なからずチームプレーがどの店舗も必ず必要です。
と言いますのも全てのお客様に私がサービスをするわけではないからです。
1人ではできない職業がレストランや居酒屋を含めた全ての飲食業だと思います。

入社した当初は誰しもがワインなどわかりません。
ワインを飲んだことがない新卒のスタッフなどには、魔法の言葉のように品種が聞こえている場合もあります。
勿論トレーニングは都度行いますが、それでも興味あるなしで覚え方もかなり変わってきます。
それを考慮しながらワインを選定し、全員に同じ認識を持ってもらわなければなりません。

スタッフのトレーニングやグラスワイン共有の際には、私は敢えて作成したテイスティングノートや説明文など紙に起こして渡すことはしておりません。
日本の言葉に十人十色というものがあるように、人から教えられた言葉よりも自分がメモをとり、自分の中に落とし込みそれを声に出してお客様に説明することにより、言霊となりより深く伝わるものだと考えております。

理想論にはなってしまうのですが、若い世代へ私たちがワインの楽しさを教え、その方達がワインに興味を持ち、ワインという液体を皆様に紹介する。
それが私が日本のワイン業界にできる最初の取り組みかと思っております。
年々ワインのレベルは上がっております。

勿論オーストラリアをメインではありますが、皆様にご紹介できることを楽しく思っております。
これからもよろしくお願い致します。












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