新世代の生産者について③

オーストラリアワイン

Hi Guys!
こんにちは〜みなさん!

だんだんと秋になり、肌寒い季節になってきましたねー。
私個人的には焼き鳥だったり、焼肉のような香ばしいお肉とタレが恋しくなります。
ワインよりもはやビールやレモンサワーですね、、
勿論そういった料理に合わせるワインなんかもたくさんありますね。
ただまたそれは別の機会に!

さて今回は新世代の南オーストラリア州の生産者編最終章です。
セミナーでテイスティングしたワインをご紹介させていただきます。

次世代の生産者とワインについて

今回のセミナーでは以下の6種類のワインがテイスティングとして提供されました。
セミナー時間は1時間でしたので、すべての要項をご紹介できませんでした。
そんなワイン達のストーリーを今回はお伝えできればと思っております。

  • Unico Zero Origami Rose 2022

    アデレードヒルズのガメラチャが拠点のワイナリー、生産者さんはブレンダン・カーター氏。
    フランスのシャンパーニュで醸造を学んでいる彼のプライオリティは、自分の住む地域を盛り上げつつ、自分のスタイルを貫いている事。
    マイノリティーな品種(オルタナティブ品種)にフォーカスし、あえて売れる品種を植えるのではなく、地域を支えながらワインを造り続けています。
    そんな彼のお気に入り品種は”フィアーノ”。

    常に環境への影響を最小限に抑える方法を模索していて、気候や水の利用の可能性に適した品種を選んでいるそうです。
    ワイナリーの名前的にイタリアの品種を使っていると思われがちですが、そうではなく、暑さや旱魃に強い品種を植えたらそれがイタリア品種だったそうです。
    彼らにとってどこの国の葡萄であるか?ということより、単にオーストラリアワインに全力を注いでいるにすぎないのかもしれません。

    オーストラリアの生産者として、いかにワインの世界に貢献できるかという意味をこめて、
    ”Unico zero=ユニークな情熱”という名前にしたそうです。

    さてこのワインの説明に入ると、マルチリージョンの葡萄が使われており、
    サンジョベーゼ (40%)はクレアバレーのポーリッシュヒル産
    グルナッシュ (30%)はリバーランドの古木より
    ピノグリ (30%)はアデレードヒルズ産のもの
    をブレンドして造られております。

    サンジョベーゼとグルナッシュは酸味を保つために早めの収穫、あえて古木のグルナッシュを使う事で味の補強、色調を果実味のバランスを取るためにピノグリをスキンコンタクトして加えています。

    テイスティングコメントとしては
    いちごやラズベリーの果実味に、春の花のような爽やかな香り、鮮やかでフレッシュな酸がジューシーでするすると飲めるワインです。
  • Gentle Folk Piccadilly Pinot Noir 2020

    元々海洋生物学者であるギャレスさんと奥さんのレインボーさんが営むワイナリーです。
    彼らの哲学は、取り囲む地域全体(森や川全て)が何世代にも渡り続いていくことに注力しているそうです。
    その為に年間を通じてのバイオダイナミックを用い、葡萄の有機栽培、豆や稲科の植物を緑肥やカバークロップで使用したりし、葡萄の木と土壌の健康を保っています。

    ワイナリーをスタートしたのも、新世代のオーストラリアワインのパイオニアの3人の影響が強かったそうです。
    元々は趣味の延長線上で始めたワインメイキングも、彼らと酒を酌み交わし、語らい、学ぶことでどんどんとのめり込んでいったのでしょう。

    今ではアデレードヒルズの東側の温暖な地域にはシラー、ピカデリーバレーの冷涼な地域は素晴らしいピノ・ノワールやシャルドネに理想的なエリアと絶賛しています。

    テイスティングコメントとしては
    ストロベリーやカラントのような果実味に、少し出汁っぽい旨味を感じました。
    チャーミングな中に、全房発酵由来の複雑味のあるワインでした。
  • Koerner Mammolo Sciacarello 2022

    クレアバレーで葡萄栽培をしていた、コーナー家の兄弟が始めたワイナリー。
    「全てのクオリティは畑から生まれる」という信念の元、クレアバレーのテロワールを表現するようなアプローチを続けています。
    野生酵母を使用しナチュラルに発酵を行っていて、最小限のSO2の使用、無濾過やノンフィルターによる人的介入を極力抑えた手法をとっています。

    今回のワインはいわゆるChilled redと言われる、少し冷やしても美味しく飲めるワインでした。
    品種はシャカレッロ種という葡萄で、主にコルシカ島で栽培されているイタリア系の品種で、柔らかくスパイシーな味が特徴な葡萄です。
    彼らがコルシカ島を訪れた際に、この地で飲んだワインに心惹かれたそうです。
    その後オーストラリアに帰り、たまたま隣の畑で植えられているのを見つけて、運命を感じてこのワインを造り始めました。

    テイスティングコメントとしては
    濃いピンク色の透明感のある色調のワインでした。
    甘味や酸味のバランス、チェリーのような果実味、梅や紫蘇を思わせるような旨味のエキス感。
    少し冷やしてゴクゴクと飲みたいワインでした。
  • BK Wines Grenache Nouveau 2023

    BKとは当主Brendon Keysの頭文字をとってのワイナリーです。
    DJでもあり、スケートボーダーでもある彼、その経歴はNZから始まっています。
    レストランのシェフをしており、その時にワインに興味をもったそうです。

    NZで葡萄栽培とワイン醸造を学び、その後自分たちの望むワイン造りができる地を求めて世界一周に旅立っています。
    ワインで有名なフランスやイタリア、カリフォルニアなどを周ったそうです。
    そして最後にたどり着いた地はオーストラリア!
    マクラーレンヴェイルやアデレードヒルズの葡萄の品質に魅了され移住を決意したそうです。
    その後2007年にBKワインズをスタートしています。

    今回初リリースのカーボニックされたグルナッシュ!
    マクラーレンヴェイルはブリューイット・スプリングス産の古木のグルナッシュを使用。
    ドライファーミングされたグルナッシュを、破砕せずに密閉タンクでカーボニック・マセラシオン及び自然発酵しているそうです。
    ノンフィルター及び無清澄!まさにフレッシュ!!

    テイスティングコメントとしては
    エレガントなスタイルで、とてもチャーミングなチェリーの果実味。
    ミネラル感の余韻が長く、そこに塩味だったり、軽くスパイシーなアクセントも感じます。
  • Sigurd Red Blend 2021

    今回私自身も初テイスティングだったワインです。
    この生産者のカジュアルレンジのワインは、グラスでよく使っていたのでとても興味はありました。
    ただ名前が覚え辛く、、、、、どこか記憶の片隅にあったワインだったのですが、よくよく調べると、私たちの世代のゲームや神話好きにはたまらない名前でした!
    それはジークフリート!
    そうです!あのゲームにもでてくる登場人物で、ドイツ語で神話の英雄を表す言葉です。

    はいー、、、ここまでは興味ない方には全く刺さらない文章ですねーw

    さて本題に戻ると、農薬の散布や耕作、草刈りなど行わない自然な形で葡萄を育てている彼ら。
    葡萄の収穫を早めたり、全房による発酵、フィルターを使用せずフレッシュさを保たせる工夫などワインメイキングを楽しんで行っているそうです。

    そんな彼らの今のスタイルがあるのは、世界各国を周ってフランスはローヌ地方で有名生産者のワインを飲んで衝撃的な感銘を受けてからだそうです。
    それがタヴェルの唯一無二の生産者ラングロール!
    その後これまでのスタイル変更していき、今のスタイルへと軌道修正したそうです。
    確かにブレンドの葡萄もタヴェルっぽい!

    シラー、グルナッシュ、カリニャン、ラグレイン、ムールヴェードルをそれぞれ別々に発酵、30%はマセラシオンし、木桶とステンレス製の開放樽で発酵させています。

    テイスティングコメントとしては
    カリッとした酸味がとてもクリスプでジューシー、野生的なミックスベリーを森の中で頬張っているような味わいです。
    エキゾチックでもあり、スパイス感も感じられます。
  • Yelland & Papps Vin de Soif 2021

    2005年にスタートしたバロッサバレーを愛してやまないワイナリー。
    その世界中で注目されている産地で、伝統的な品種に新しいアプローチでワインを造り続けています。

    野生酵母を使用し、全房発酵、古い大型のオーク樽、清澄や濾過を行わないことで、葡萄本来の味わいでそのテロワールを表現しています。

    毎年同じ環境、同じ気温、同じ条件でワインを育てることは不可能です。
    その変化に応じて、シーズンを楽しみながらワインを仕上げているそうです。

    彼らの住むエリアはバロッサバレーのヌリオートゥパ。
    羊たちが駆け回り、野菜やフィグ、マルベリーの畑が広がった広々とした大地です。
    素朴で自然な暮らしを体現したようなワイン、無垢な味わい、表現したいのは
    「バロッサで自分たちが飲みたいと思えるワインを造ること」
    だそうです。

    今回テイスティングしたワインはVin de Soifという、フランス語で喉の渇きを潤すワインという意味のあるもの。
    葡萄はグルナッシュとサンソー、マタロを使用し、38%の全房発酵、マセラシオンカルボニックでその名の通り軽やかで華やかなワインに仕上げてます。

    テイスティングコメントしては
    うっとりする程の魅力的なラズベリーやチェリーなどの赤いフルーツ、
    軽やかな中に、全房発酵由来の奥行きがあり爽やかなスパイシーさのある味わいです。
    余韻に少し薬膳っぽい香りも感じられた記憶があります。

YOUNG GUN OF WINEって?

これまでのワイナリーもそうですが、昨今オーストラリアで若い世代含めワイン熱がヒートアップしています。
その理由の一つがオーストラリア独自に開催されているいくつかのワイン・コンペティションだと思います。

その一つにYOUNG GUN OF WINEがあります。

これはオーストラリアの最優秀若手醸造家の賞であり、その年によって審査員は変わります。
マスターオブワインでしたりワイン評論家、醸造家の方々、ソムリエなどの複数人よって選ばれます。

受賞者を見ると、いかに今のオーストラリアのワインシーンがエキサイトしているかがわかる方々ばかります。
リンクを貼っておきますので是非ご覧になってください↓
https://younggunofwine.com/

今回ご紹介したKoernerは2019年に受賞していますし、Yelland & Pappsも2020年にベストバロッサグルナッシュという賞をもらっています。

このようなワインを盛り上げる文化が独自にあり、今後のオーストラリアワインを背負って立つ生産者さんが多く活躍されています。

これからも目が離せないオーストラリアワインですので、是非ご自身の推しのワインを見つけてみてください。

それではみなさんの良いワインライフへ

Cheers!


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