オーストラリアの州について〜NSW州①

オーストラリアNSW州のワイン産地ハンターバレー オーストラリアワイン

Hi Guys!

こんにちはー

今年は急に寒くなり、すでにコートを着ている方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
秋がなかったなんてよく聞きますが、なんとなく寂しい言葉ですよね。。。。

さて今回はオーストラリアのニュー・サウス・ウェールズ州(以下NSW州)のワイン産地についてご紹介致します。

NSW州に私が初めて訪れたのは15年以上前の事です。
最初はシドニーに降り立ったのですが、鮮やかに煌めく街並みを今でも鮮明に覚えています。
街中のコーヒーの香りに、坂の上から眺めた海岸、そこに煌めくオペラハウス!

全てがファンタジー映画のように脳裏に刻まれています。

今回はそんなNSW州のポイントとなるワイン産地とワインを少しご紹介できればと思います。

Hunter Valley

まずは絶対に外せないのが、オーストラリアワインの発祥とされる地 ハンターバレーです。

シドニーから車で行ける場所にあるワイン産地で、私も日帰りで訪れたことのあるエリアです。

標高は比較的低い場所にあり、気温と湿度が高く、昼と夜の気温差があまりない場所です。
ただ海からの穏やかな風と、雲も多い場所なので気温の上がり過ぎや、日光の当たり過ぎなど気にすることなく葡萄の栽培ができます。

ここでの有名な品種はなんと言ってもセミヨンとシラーズでしょう。
まず”ハンター・セミヨン”を語らないと始まらないですね。

セミヨンという葡萄品種をみなさんご存知でしょうか?
フランスはボルドーでよく使われる品種で、ソーヴィニヨンブランとブレンドされてアロマティックながら酸とボディのあるワインに仕上げたり、または長期熟成の貴腐ワインで使用する場合も多くあります。
同じ新世界の南アフリカなどでもよく使用される葡萄品種です。

ハンターバレーは雨が降りやすい産地でして、特に収穫の時期に多く雨が降ります。
ですのでセミヨンを雨が降る季節の前に早摘みするので、熟度が低くなり、酸が高く糖度の少し低い状態で収穫します。その早摘みしたセミヨンをステンレスタンクで醸造し瓶詰めするというシンプルなスタイルのワインが特徴です。

アルコール度数は12度以下と低く、ライトボディで高い酸とミネラル感を持つニュートラルなワインという印象です。
ただ熟成のポテンシャルがあり、熟成させると全くの異次元のワインへと変化します。
それは黄金色に輝き、蜂蜜やバターを思わせるふくよかな味わいとなります。
オークは使用せずに、マロラクティックも行っていないにもかかわらず、熟成したセミヨンは妖艶なワインへと進化を遂げる神秘の液体なのです。

ここで個人的な注目すべき2つのワイナリーを紹介します。
一つはハンターバレーの古き良きスタイルを一蹴したようなスタイルのワイナリー Harkhamです。

  • Harkham wines

現段階で私が知る唯一のハンターバレーの完全ナチュラルワインの生産者ではないでしょうか。

生産者のRichieさんは数年前にバイク事故を起こし、心肺停止の生死をさまよった方です。
かなりの粉砕骨折を受けた体でしたが、脳死状態の当時13歳の少女の関節移植のおかげで、軽くジョギングすることができるほどに回復したそうです。
その後の彼の人生は貧困にあえぐ子供達のために捧げていると言っても過言ではありません。

ミャンマーにいくつのか学校をプレゼントすることを行い、さらに数校の寄贈も考えているそうです。
まさに人の為に捧げる人生ですね。

ここでワインを紹介すると、
Aziza’s Shirazはフレッシュなチェリーや野生のベリーを頬張ったようなジューシーな果実味があります。
ミントやユーカリのような爽やかなグリーンの香りの向こうに、少しスパイスを感じる味わいです。
これだけでもはやブラインドでハンターバレーは連想できませんが、さらにHark Angel Shirazは軽やかで少し冷やし気味で飲むスタイルのワインです。
ドライハーブやスパイスのアロマに、ミネラル感と共に、複雑なベリーの果実味があります。
私がハンターのシラーズの中で一番好きなワインかもしれません。

余談ですがハンターのシラーズは広く「Cough Medicine」と言われています。
直訳すると「咳止めシロップ」にあたるのでしょうか。
その野生的なフレーバーから、少し薬っぽい香りを感じるのが特徴です。
これには賛否両論ありますが、日本では少し売りづらいワインではあります。。。。
それがほぼ感じられないハンターシラーズは確かに貴重なんです!

さてさらに彼のセミヨンも紹介しないと終われません。

Aziza’s Semillonはスキンコンタクトにマセラシオン、樽熟成も行った、これまたハンターセミヨン?となるユニークないワインです。
グレープフルーツや甘いレモンのような柑橘の果実味と旨み、柔らかい味わいが口内を包み込むようなそんなワインです。

ワインショップで見つけた際には是非チェックしてみてください。

  • Thomas wines

このワイナリーは現在のハンターバレーのトップのワイナリーと言っても良いかもしれません。

その味わいからオーストラリアの人気レストランや世界中のソムリエからも称賛されるワインを作り続けています。

熟成させないと飲みづらいとされるハンターセミヨンのレッテルを根底から覆し、若いうちからも楽しめ全てのシーフードと相性がよく、かつ長期熟成も期待できるワインを創り上げました。

彼はたくさんのセミヨンを造っていますが、日本で飲むおすすめはやはり
Braemore Semillonでしょう。

溢れんばかりの爽やかなレモングラスやシトラスフルーツのフレーバーに、しなやかながらしっかりとした酸、大地のパワーも感じるミネラル感に、アフターに少し苦味も感じる余韻はまさに秀逸。
5週間と長くシュール・リーを行い奥行きのある複雑さが特徴です。
現行でも、少し熟成させても、長期熟成させても楽しめるパワフルなワインです。

他にもTyrrell’s WinesやBrookenwood Winesといった老舗有名ワイナリーもたくさんあります。
まずはワインショップや試飲会などでハンターバレー産のワインを見つけて、自分好みのワインを探してみてください。
他の国にはない個性豊かなワインがそこには揃っているかも知れません。

今回はNSW州のハンターバレーのご紹介でしたが、次回は他の産地もご紹介できればと思います。

それではみなさんの良いワインライフに

Cheers!!

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