Hi Guys! こんにちは!
暖かくなってきましたが、梅雨の湿気で蒸し暑い日々が続いていますね。
今回は、そんな季節にぴったりの、未来のワイン文化を考える上で注目したい2種類のワインをご紹介します。
それは、Field Blend(フィールドブレンド)とOrange/Amber(オレンジ/アンバー) Wineです。
このフレーズを最近耳にする方も多いと思います。
どちらの造り方も、昔ながらのワイン造りにインスピレーションを受けており、味わいの面だけでなく、持続可能なワイン文化を築くうえで欠かせない存在です。
Field Blend(フィールドブレンド)
近代のワイン造りでは、栽培・情報・醸造・流通の技術が年々進化し、ワインの品質は飛躍的に向上しています。
それに伴い、品種ごとに畑を分けて管理し、それぞれ別々に収穫・醸造するという、より洗練されたスタイルが主流となってきました。これは、収穫時期の違いに対応できる画期的な方法です。
一方で、それとは正反対の手法が「フィールドブレンド」です。
同じ畑や区画に複数の品種を植え、それらを同時に収穫し、混醸(発酵容器の中で複数品種を混ぜて醸造)するというスタイルです。
この方法は、古代ヨーロッパにおける家庭的なワイン造りにルーツがあります。
畑に植えられた様々な品種を意識せず、混ぜて自然発酵させていた背景があります。
この技法は、特定の品種が不作でも他の品種で補えるというリスク管理の面でも優れており、自然と共生する持続可能な手法と言えるでしょう。
現代の技術と伝統的手法を融合させたこの造り方では、ブドウの品種よりもテロワール(土地や気候)の個性を表現することができます。
そのため、土壌や気候など様々な要素が組み合わさった複雑で深みのあるワインが生まれやすく、赤ブドウのコクや白ブドウの酸味と香りが複雑に調和する、ユニークな味わいに仕上がります。
食事との相性もよく、ペアリングに活用される場面も増えています。
Orange(Amber) Wine/オレンジワイン
オレンジワインとは、白ブドウを使って赤ワインのような製法で造られたワインです。
赤ワインは、黒ブドウを果皮や種と一緒に発酵させることで、色素(アントシアニン)とタンニンが抽出され、濃い赤い色になります。
白ワインは通常、果汁を搾ったらすぐに果皮や種を取り除くため、透明感のある淡い色になります。
一方でオレンジワインは、白ブドウの果皮や種とともに醸し(マセラシオン)をすることで、香りや渋み、複雑な味わいを引き出します。
このマセラシオン(醸し)にはいくつかの手法があります:
- スキンコンタクト:発酵前に果皮を果汁に浸ける
- マセラシオン:発酵中に果皮を浸漬する
- マセラシオン・カーボニック:二酸化炭素環境下で発酵を促す
どの方法を使うかは、造りたいスタイルによって決まります。
この製法は、現代の技術から生まれたのではなく、ワインの起源とも言われる古代ジョージアのクヴェヴリという陶器を使った伝統的な造りにルーツがあります。
そこで造られたアンバー色のワインを、現代では「オレンジワイン」と呼んでいます。
このスタイルを現代に再び広めたのが、イタリア・フリウリの生産者たちでした。
理想のワインを求めた末にたどり着いたのが、この古代の手法だったのです。
オレンジワインの味わいは、使用する品種や醸しの期間によって異なりますが、一般的にタンニンがあり、旨味や厚みのある味わいが特徴です。
オレンジピールや紅茶のような香り、軽やかさの中に深みや苦味が感じられるものもあります。
最近の食文化とも相性がよく、野菜料理や旬の素材、スパイス料理などともマッチします。
このように、Field Blend と Orange Wine はどちらも、現代のワイン文化に欠かせない要素を持った造り方です。
多様化する食文化と共に歩むこれらのスタイルは、今後ますます注目されていくでしょう。
ワインショップでもよく見かけるようになってきましたので、ぜひ一度試してみて、感想を聞かせてくださいね。
それでは、皆さんの良いワインライフへ。
Cheers!
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